自然豊かな南国を拠点にした 家族五人の愉快なキャラバン
宮崎空港には「宮崎ブーゲンビリア空港」という愛称がある。まさに南国イメージのこの地に移住してきた五人家族の本多家。夫婦の旅好きが高じて、住み慣れた岐阜から、自然豊かで暖かな南国の地へと移り住んだ。思い立ってから、わずか 4カ月で移住をかなえた家族は、いま宮崎でどんな時間を過ごしているんだろう。
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妻:あやなさん
兵庫県生まれ。旅と温泉とサウナとお酒をこよなく愛する、ほんだ家のムードメーカー。介護士の資格をもつ。神社ガールでもある。 -
夫:ひでたかさん
愛知県生まれ。プロの配送ドライバーとして家族を支える。やさしい人柄がにじみ出たような、爽やかな笑顔がトレードマーク。 -
こどもたち
れんきくん16才(写真上)
あみかちゃん6才(写真下右)
ゆめかちゃん4才(写真下左)
写真:押尾健太郎
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平屋のワケ
-かろやかでしなやかで自由な家-
2階建てより平屋がいい
家の中で、 ここが特に好きってところはありますか?
あやな うーん……全部ですね(笑)。でもまず、私たちは平屋がよかった。前は2階建てで、もう次は絶対いや!平屋がいい!って思ってました。
え、なぜですか?
あやな まず、2階に行くまでがしんどい……。子どもがケガした時にも、部屋が2階にあったら連れていけないし、妊娠している時も上り下りがかなり大変でした。あと、洗濯物を2階に持って上がるのもしんどくて……。
そう言われると、大変そうですね。
あやな そうなんですよ。階段や2階の掃除機がけも、めんどくさくなってきちゃって。
じゃあまず、平屋であること。他には?
あやな 雨が降っても玄関から濡れずに車に乗れる、大きなカーポートがあること、ですね。
確かに、カーポート大きかったですね。
あやな 見に行ってみます?
はい、ぜひ。(玄関の外へ移動)
あやな これです。ほら、このまま濡れずに車に行ける。あとは2台分の車が入るスペースがあること。ここはその上、カーポートの後ろがそのまま同じくらいのスペースの庭につながっていて、その造りもよかったです。
カーポートと庭の間に段差がないのは、ちょっと変わってますよね。
あやな たとえばこの先、れんきが車を持った時でも、後ろにそのまま下げれば入れられる。人が来た時も、後ろに下げて使ってます。
それで庭に何も置いてないんですね。
あやな もちろん、庭としても使ってますけどね。外で子どもを遊ばせていても、リビングやキッチンから姿が見られる。娘二人が庭で縄跳びとかしている間に、ご飯を作ることができる。これは前の家も同じで、気に入っていた部分でした。
つまり、間取りが良かった。
あやな ええ、間取りですね。シンプルでギュッとしてて、コンパクト。それでいて平屋!
寝室と子どもの未来
家の中も、あらためて見せてください。
ひでたか どうぞ、どうぞ。(再び家の中へ)
この玄関のところにある家族写真は、どこに行かれた時のものですか。
あやな だいぶ前の石垣島ですね。シーサーの焼き物も、沖縄で買ったものです。
ほんとに沖縄が好きなんですね。シーサーもかわいい。
ひでたか じゃあ1部屋ずついきましょうか(玄関右手の部屋へ)。
あやな ここはもともと2部屋で真ん中は障子で仕切られていました。それをリフォームして1部屋にしています。部屋数が、そこまでいらなかったので。
ご夫婦の寝室と、子ども部屋の兼用って感じでしょうか?
あやな そうです。前の家で、いずれは子ども部屋にって考えていた部屋があったんですが、結局、物置きみたいになってしまって。そのうちきっと、れんきは巣立っておらんくなる。そしたら娘たちは一人部屋を欲しがるだろうから、れんきの部屋は上の子に、下の子にはこの部屋を仕切ってあげて、一人部屋にしてあげる。
なるほど。
あやな でも、最終的には娘たちもおらんくなるので、そしたらまた仕切りを取りはらって、ここは私の部屋、れんきの部屋は夫の部屋にしようって思ってます。
策士ですね。 個室はこの部屋の他にれんきくんの一人部屋のみですよね。五人家族とは思えないコンパクトさですね。
あやな でしょー!なんたって、2トンロングトラック1台だけで引っ越しましたから。
すごい!ほんとですか?
ひでたか ほんとです(笑)。自分たちで岐阜から運んできました。
あやな そのとき、荷物が全部そのトラックに入るように、ダイニングテーブルとかソファとかをかなり捨てたんです。
断捨離ですね。だから広々と感じるんですかね。出窓も開放感があっていいですね~。外にいるとき、お子さんたちがそこから顔をのぞかせてましたよ。
あやな そうそう。ゆめかがよく、あそこに座ってます。
お二人は、旅行が趣味だと思うのですが、家の中で趣味の部屋を作ってなにかしたい、みたいな思いはないですか?
あやな ないですね。それより、家族みんなが集まるリビングは広い方がいいなって。でもそれ以外は全然、小さくていい。子どもたちはいずれ巣立っていくので。
和室のあるリビング
ひでたか じゃあリビングに行きますね。(玄関の左手に進む)
この和室、いいですよね。リビングとつながってる感じが。
ひでたか そうですね。和室は欲しかったんです。広さはちょっと違いますが、前の家も同じで、和室とリビングが一つの空間になっているような配置でした。引っ越しでダイニングテーブルを捨ててきちゃったので、今はこの和室のちゃぶ台でごはんを食べてます。
このちゃぶ台、五人で食卓を囲むには、少し小さくないですか?
ひでたか 最初はこんなちっちゃいの?って僕も思ってたんですが、慣れてきちゃいました(笑)。
生活って、そんなもんですよね。うわ、立派な神棚もあったんですね。
あやな この神棚も、前の家から一緒に引っ越してきました。
ひでたか これは彼女にとって、なくてはならないものらしいです。
神社がお好きと聞きましたが、このお札は……高千穂ですか?
あやな そう!高千穂神社でお札をいただいてきたんです。神棚を置く場所はいつも迷うんですが、やっぱり和室かなと思って、棚板を自分で作ってここにお祀りしました。
え、あの棚板はDIYなんですか?
あやな 昔からウチでは、そうしてきたんですよね。毎年のように伊勢神宮とか、奈良の大神さん(大神神社)にも行っていたもので。だからこっちでも、由緒ある高千穂神社にご挨拶して来たんです。
30~40代の方で、マイホームに神棚をこんなにしっかり祀る人、初めてみました。和室の壁の色も、緑色が映えていてすてきですね。
あやな ほんとに?うれしい!もともと緑だったんですけど、好きな色なので「そのままがいい」って言って、同じ色に張り替えてもらったんです。
和室が好きっていうことが、伝わってきます。神棚のある和室のちゃぶ台で夕飯を食べるって、いいですね。
あやな ちなみに冬はこのちゃぶ台、こたつになります。子どもの身体も大きくなってくるし、いつまでもこれじゃ小さいやろ、とは思ってるんですけどね。
和室のちゃぶ台で夕飯って、サザエさんみたいでとってもいいなぁと思うんですが、これだけ広いリビングがあったら、ダイニングテーブルを置きたくなりません?
ひでたか いやでも、リビングにテーブルを置くと邪魔じゃないですか。テーブルって障害物にもなるし、圧迫感も出ちゃう。それとソファを置くならリビングにって思っていたので、テーブルまでは置けないなって。
なるほど。テーブルを置くと、この開放感はなくなっちゃいますね。
日々のご当地食
キッチンは使いやすいですか。
あやな 強いこだわりではないんですが、キッチンはガスがいいなと思ってました。調理器具はキッチンの下。食器は、後ろに全部入ってます。食器もだいぶ捨ててきたので収まるように頑張りました。
宮崎に来て、よく作るようになったメニューってありますか?
あやな チキン南蛮!
やっぱり作るようになるんですね。
ひでたか 前に山口県でチキン南蛮というものを食べて「これが本当のチキン南蛮なんだ」って感動したことがあったんですよ。でも本場の宮崎にきたら全然違って、ちょっとドロっとしているんですけど、あれがいいんですよね。
それ、僕も完全に同感です。旦那さんは料理されますか?
あやな します。野菜炒めがおいしいです。
ひでたか 野菜炒めって料理?
あやな 料理料理。焼きそば、ラーメン、チャーハンとかも作りますね。
ひでたか あと、シチューとカレーは僕の担当です。普通のやつですけど。
あやな そうだ。こっちに来て「辛麺」を食べるようになりました。インスタントも常備してます。
あの韓国の?
ひでたか いえ、宮崎のご当地麺で、いろんなところに辛麺の店舗があるんですよ。お店ではこんにゃく麺っていう独特の食感の麺が使われていて、「どこどこ系」みたいな系統まであります。
あやな 子どもらも食べるんです。
この辛そうなのを?
あやな ええ。辛い辛いって言いながら食べてます(笑)。これは結構、毎週のように食べるよね。
ひでたか 晩酌しながら夜ごはんを食べた後、辛麺でシメたりもしますね。
なんだか、お二人のスタイルが行き届いている家ですね。もうちょっとこうしたいってところはありますか?
ひでたか 欲しい家具はありますけど、それくらいかな。
あやな 私は全部気に入っとる!
そう言い切れるって、いいですね。
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