自然豊かな南国を拠点にした 家族五人の愉快なキャラバン
宮崎空港には「宮崎ブーゲンビリア空港」という愛称がある。まさに南国イメージのこの地に移住してきた五人家族の本多家。夫婦の旅好きが高じて、住み慣れた岐阜から、自然豊かで暖かな南国の地へと移り住んだ。思い立ってから、わずか 4カ月で移住をかなえた家族は、いま宮崎でどんな時間を過ごしているんだろう。
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妻:あやなさん
兵庫県生まれ。旅と温泉とサウナとお酒をこよなく愛する、ほんだ家のムードメーカー。介護士の資格をもつ。神社ガールでもある。 -
夫:ひでたかさん
愛知県生まれ。プロの配送ドライバーとして家族を支える。やさしい人柄がにじみ出たような、爽やかな笑顔がトレードマーク。 -
こどもたち
れんきくん16才(写真上)
あみかちゃん6才(写真下右)
ゆめかちゃん4才(写真下左)
写真:押尾健太郎
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二人で語らう
-旅して暮らす夫婦の行く先-
旅する二人の誕生
お二人でビールを飲みながら語らうのがご夫婦の定番ということなので、そういう雰囲気で、お話を聞かせてください。
あやな もう飲んでいいですか?
お願いします。(二人、笑顔で乾杯する)いいですね。こういう晩酌は、ほぼ毎日ですか?
あやな 毎日やね。
ひでたか そうやね。
すてきなルーティンですね。いつもどんな話をしてるんですか?
あやな 仕事の話が多いですね。
普段はそうなりますよね。でも今日は、旅の話を聞かせてもらえますか。というのも、お二人を宮崎の地まで連れてきたのは、旅なんじゃないかなと思うんです。出会った頃から、お互いに旅が趣味だったんですか?
あやな そうですね。夫は調べるのが苦手だけど、どこかには行きたい人。でも、どこ行けばいいかが、いつもわからへんのよね。
ひでたか 自分で調べてると迷っちゃって。だから僕は「行くだけの人」みたいな(笑)。
お付き合いされるようになってからも、割とデートといえば旅だったんですか?
あやな いや、デートといえばお酒だったなあ(笑)。
ひでたか そうだね。居酒屋で飲んだり、家で飲んだり。友達を交えてみんなで飲んだり。
そもそも、何歳くらいから旅好きなんですか。
あやな 私は生まれた時から(笑)。ウチは、小学校を休ませて旅行に連れていくような家だったんですよね。たぶん両親に動き癖がある。ほんとに小さい頃から、年に何回も旅行に行くような環境やった。
ひでたか 僕はいつからっていうのは分からないですけど、彼女と付き合う前から、よく友達と旅行に行ったりはしてましたね。
旅は好きだけど、自分で調べてとことん行くほどではない、くらいの感じですか?
ひでたか そうですね。いろんなとこ行きたいっていうのはあるんですけど、どうも調べるのが苦手で……。
二人で旅し始めたのは、いつぐらいからなんですか。
あやな 付き合い始めた頃から行ってましたね。夫は仕事柄、あちこち行くじゃないですか。だから、あそこ行った、ここ行ったって、自然と話題がそうなる。だから、一緒に旅する運命だったんですよね、きっと。
二人旅あれこれ
これまでお二人で、どんなところに行かれました?
ひでたか それは、ほんとにいろいろ行きましたよ。印象的なところだと、沖縄、三重、愛知、長野、福井、石川、北海道……。
あやな 北海道はいいよね。癒やしやね。
ひでたか あのお花畑はよかったね。
あやな あれは……美瑛(町)やね。
ひでたか そうそう、美瑛!カートで花畑を回るんですけど、運転がしにくいのに、スピードは簡単に出ちゃう。それが楽しかったなあ。
あやな 私たち大自然が好きで、沖縄でシュノーケリングもしました。青の洞窟には2日通って、そのうち1日は人が全くいなくて貸切状態。最高だったよね。
ひでたか うん。やっぱり海はいい。
あやな だから宮崎なのかな。この辺の道を走っていると北海道の気分になって、海に行くと沖縄の気持ちになって。両方楽しめる感じなんですよね。
なるほど。そこでつながるんですね。王道の観光地以外に行ったりします?
あやな 行きますね。地元の方ですけど、日間賀島は毎年のように行ってました。
ひでたか 愛知県の離島なんですが、タコで有名。タコせんべいとか。家が密集していて、道なんか原付が走るくらいのスペースしかない。
あやな ほんとにちっちゃい島で、のんびりしてますよ。そこで散歩して、海入って、美味しいもの食べながら飲むんだよね~。
やっぱり飲むんですね(笑)。 そういう波長が合うって、いいですね。ちなみに旅先で必ずやることはありますか?
あやな そこの土地の温泉は絶対入りたい。旅先に行ったらまず温泉。宿でも入って、帰りもまた入る。あと、その土地の名のある神社には行きますね。
住むならどこか問題
温泉好きでしたら、移住するときに東北とか北海道とか、北の方は考えなかったんですか?
ひでたか 住むってなると、雪が降るのは嫌なんですよ。北海道もいいところだけど、やっぱり住むなら南の方がいいかなって。
あやな 雪かきから始まる生活とかが、大変そうで。でも、仕事に行かんでよかったら、北海道もいいよね(笑)。
じゃあここ(宮崎)が、お二人の終の棲家ですか?
あやな うーん、どうだろう。もし次行くとしたら四国かなって話したことはありました。でも四国は南海トラフ地震が心配かもとか。まあ、夫婦二人だけだったら引っ越せちゃうか、とか。
いろんな土地を旅して、日本全国を見ている中でも、やっぱり住むなら沖縄とか、九州がいい?
あやな そうですね。住むならやっぱり、あったかくて、海がきれいなところ。
他に好きな土地はありますか?
あやな ありますあります。岐阜もめっちゃ好きだし。
ひでたか 「住むなら」じゃなく、「行くなら」はいっぱいあるよね。
今、どこでも連れてってあげますって言ったら、どこに行きたいですか。
ひでたか 僕は北海道。食べ物とかも全体的に考えて。冬の時期はちょっとずらしたいですけど。
じゃあ北陸とかも、雪が降らなかったら相当いいですか?
ひでたか いいと思う。海も近いし。ただ、岐阜にいたときは、毎年のように行っていたので、移住じゃなくていいかな。
あやな やっぱり、海がある南の方へ行きたくなる。
ひでたか そういう意味でも、ここでよかったです。都城は自然も豊かだけど、住みやすそうだなっていう感覚的なものもありました。家の周辺こそなにもないけど、国道に出ちゃえばなんでもあるので、遊びやすそうだなって。
なるほど。それは、プロドライバーの直観ですね。
旅するように暮らす人
お話を聞いていて、お二人は移住したというより、長い旅の途中で、今はここに住むことにした感じがするなって思いました。
あやな それ、おもしろい!そうなんかもしれん。当面はどっかに住み替える予定はないけど、ゆくゆくのこと考えてくと、そうやな。
ひでたか 最近、話してたんですよ、10年後どこ行こうねって。
家も住む場所も一生に一つじゃなく、岐阜で買って、宮崎でも買う。そういうスタイル、とっても現代的というか、むしろ次世代的ですよね。
あやな でもそれができるのは、中古住宅だからですよね。新築の金額じゃ絶対できない。
ひでたか 感覚値ですけど、いま中古物件が盛り上がっているのは、そういうことができるよさもあるんだろうなって。
あやな 物件を探している時、新築住宅を買えるって言われたこともあったんですけど、「ウチは払えません。そんなことしたら、どこにも遊びに行かれへんやろ」って。
最近は人生100年時代って言われているので、50歳が折り返しじゃないですか。これから、まだまだいろんな土地に住めそうですね。
ひでたか はははっ。でも80歳ぐらいから、もう歩くのがしんどいってなりそう。
あやな そうだよね。だから元気なうち、動けるうちやとは思ってます。もし四国に住んだら、八十八カ所巡りしたい。住みながら巡ってみたい。でも巡り切ったら、またどっかに行かなあかんのかな。
大丈夫です。カチタスの支店は全国にありますから(笑)。
ひでたか でも今はやっぱり、せっかく来たここで、いろんなことがしたいなと思ってます。まだなんにもやれてない。仕事がもうちょっと落ち着いてきたら、もっといろいろ行きたいと思ってるので。
あやな とりあえず来年、屋久島には行くよね。温泉行って、海入って。
ひでたか 僕は羽田岬に行きたい。九州最南端!
この辺りだと、どんなところに行きました?
ひでたか 有名な滝のある関之尾公園は行きました。よかったですよ。スノーピークの宿泊施設とかキャンプ場もありました。
あやな フェニックス自然動物園のプールもよかったよね。プールの入館料で、動物園も見て回れるし。あと、都井岬もよかったな。野生の馬が目の前まで来てくれて。
へえ! 放牧じゃなく、野生の馬?
あやな 都井岬は完全野生。宮崎の最南端の串間市にあります。
いろいろ行ってますね。
あやな キッチンに腰掛けて、明日行ける場所どこかな~って調べるんです(笑)
それを、旦那さんが帰ってきたら、この“ビールの会”で語り合うんですね。
ひでたか そうそう。
あやな “ビールの会”って呼ばれてる(笑)。そういえば私、岐阜では日本酒の会に所属してました。
じゃあ都城では、ビールの会にしましょう。
あやな そうですね。参加者求む(笑)。
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