旬のものを、家族と食べる。 温泉からはじまった料理の日々。
新潟県で介護士をしている梅宮大和(やまと)さんは、妻・みゆきさんの妊娠をきっかけに、この家に越してきて8カ月。広々としたキッチンで料理をし、晩酌しながら家族と過ごす夕食の時間が、一日のなによりの楽しみなのだとか。家も家族も新しい、梅宮さんご一家の新たな暮らしのけしきとは。
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夫:やまとさん
福島県生まれ。専門学校を経て新潟で介護士として働く。むかしは少しやんちゃだった元サッカー部。 -
妻:みゆきさん
新潟県生まれ。家の近くに務めるケアマネージャー。出産を機に、料理担当を夫にバトンタッチ。
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私とわが家
暮らす工夫と遊び心のある間取り
私たちが「わが家」をもつまで
こんにちは。今日はよろしくお願いします。
やまとこちらこそ。何から話しましょうか?
では、自己紹介をお願いします。
やまと僕はいま35歳で、介護士の仕事をしています。妻のみゆきも同年代で、去年の10月に息子の啓大(けいた)が生まれました。家を買ったのは、去年の6月です。
もうずっと、新潟に住んでいるんですか?
やまとそうですね。僕は福島・会津の生まれなんですが、高校を卒業してから新潟の専門学校に通って、そのまま就職しました。それから妻と結婚し、この近くのアパートに住んでいましたが、赤ん坊ができて家探しをするぞとなった。それで、この家にたどり着きました。
ご結婚前はどちらに住んでいたんですか?
やまと職場のある阿賀野市にいました。賃貸アパートで一人暮らしです。阿賀野って新潟市の東にあって、実家に帰る方向なんです。
ご実家にはよく帰るんですか?
やまとええ。帰ると、羽を伸ばせるというか、「ああ実家だなー」って安心しますね。うち、実家が2つあるんですよ。元々買った家の裏側に、もう一つ家を買っていて。土地だけはあるので。
じゃあ、家はいずれ買おうと思ってました?
やまとそうですね。やっぱり家が欲しかった。アパートには愛着が湧かなくて。“つなぎ”みたいな感覚というか。家も土地も、持っていて当たり前。そういう環境で育ってきたからでしょうね。
みゆき私も、アパートは“つなぎ”っていう感覚はありましたね。
そうなんですね。お二人は、出会ってからどれくらいでご結婚されたんですか?
やまとえー、半年ですね。
みゆき半年?そんなに短かった?
やまとそこは僕、しっかり覚えてますもん。付き合って半年で、プロポーズしたので。それからすぐに結婚して、二人で暮らし始めました。その頃は、休みを合わせて、よく旅行に行きましたね。子どもが生まれるまでは、そんな感じでした。
玄関とスニーカーと、不思議な蔵
新しい家の居心地はどうですか?
みゆきとってもいいです。こんなにおしゃれな家に住めると思ってなかったので、建ててくれた人に感謝ですね。
どういう風に使っているのか、案内していただけますか?
やまともちろん。妻は子どもを見てるので、僕が案内しますね。まずイチオシの玄関からお見せします(玄関へ移動)。
普通の玄関に見えますね。
やまとそれが、この白い壁が目隠しになっていて……開けるとほら、壁一面が靴の収納になっているんです。
あ、ほんとだ。すごい数のスニーカーですね。
やまと僕の趣味なんです。こうやって並べられるので、この玄関はいいなと思ってました。高校くらいからの趣味ですね。エアマックスがめちゃくちゃ流行った世代なんで。
何足くらいあるんですか?
やまと数えたことはないんですが、50足くらいはあるんじゃないですかね。履いてないものもいっぱいあるんですよ。半分、病気みたいなもんです(笑)。
確かに、タグが付いてるものもありますね。履くより、集めるのが好きなんですか?
やまといや、僕の場合は履きもしますね。ファッションと収集癖と、半々って感じですね。これとかお気に入りなんですけど、分かります?「エアマックス95イエローグラデ」。
うわっ、このデザイン懐かしい!
やまと世代の人は分かりますよね。これは3回くらいしか履いてないですね。じゃあ次は、この靴棚の中に入ってみてください。
ここに? ……あ!横に別の空間がありますね。
やまとこれがね、先まで続いてるんです。
あ、ホントだ。どこまでも行ける。
やまとそうなんです。棚の隣が奥に続いてて、天井の低い収納スペースになってるんですよ。
すごい広いですね。入ってみていいですか?
やまともちろん。頭ぶつけないように気を付けて。そこで靴を脱ぎます。
……おお、広い。
やまとこれが「蔵」っていって、この家の特徴なんですよ。玄関から収納、リビングの小さな入口までつながってるんです。
変わった空間ですね。
みゆきこっちです(リビングの方の小さな穴からみゆきさんの姿が見える)。ほら、ここ。
そことつながってるんですね。かくれんぼでもしたくなりますね。
やまとそうなんです。玄関とリビングがつながってて、こういう低い空間があって、子どもは楽しいじゃないですか。この「子どもも遊べる構造」みたいなのがけっこう気に入ってます。
これだけスペースがあれば、収納場所にも困りませんね。
やまと自転車とかも置けますし、梅を漬けたシロップとかも置いてます。役割としては、昔の床下収納みたいな。現代版の物置きですね。僕の趣味と、子どもの遊び場と、便利な収納。全部をかなえてくれました。
不思議な間取りと土地としての庭
やまと次は階段を少し上がります。(数段上がって)ここが中2階といって、1階と2階の間にある空間なんです。低い位置に窓が2つあり、下のリビングが見えるようになってます。
これ、とってもおしゃれですね。
やまとでしょ? ソファとテーブルとテレビを置いてるので、リビングが2つある感じですね。今、赤ん坊がほとんどリビングにいるので、そこではワイワイやりにくいじゃないですか。ウチは地元の友達とか職場の仲間とかが集まることも多いので、ここで飲んだり食べたりします。
どれくらいの人数が来るんですか?
やまと多くて10人くらいですかね。妻がママ友との集まりで使ったりもします。お互いの友達がきたりすると、聞かれたくない話もあるじゃないですか。ここ、話は意外と聞こえないんですよ。
それはいいですね。
やまと中古なので僕がつくったわけじゃないですけど、こういうのを自分で依頼してイチから建てますといったら、値段もすごいじゃないですか。それじゃ僕は破綻なわけですよ(笑)。
オーダーすると、手間もかかりますしね。
やまとそうなんです。僕もいろいろ考えて、家は建売で探してたんです。でも、間取りがどこも似通っていて……。だからこの家を見たとき、蔵とか、この中2階とか、いいなと思ったんです。下のリビングが見えるので、妻がちょっと赤ん坊から目を離しても上で見てられる。そういう部分も気に入りました。
住むための工夫がちゃんとある感じがしますよね。
やまとじゃあ次に行きますね。今度は本物の2階です。(階段を上がる)。
ここは……寝室ですか?
やまとはい。もう少し子どもが落ち着いたら、夫婦の寝室になります。僕がシフト制の変則的な仕事なので、夜泣きを気にせず眠らないといけないときは、ここで寝ます。あと、ここにはウォークインクローゼットもあります。
服の数も多いですね。ファッションがお好きなんですね。
やまとスポーティーなものとか、アウトドア系のブランドとか、カジュアルなものが好きですね。冬物だと、カナダグースのアウターとか、このパタゴニアのフリースもお気に入りです。
何かアウトドアをやるんですか?
やまといえ(笑)。ファッションだけで、そっちの方は全然やらないんですよね。
そういうこともありますよね。あれ? もう一つ上にも部屋があるんですね。
やまとそこはスキップフロアといって、2階の上って感じの造りなんですよ。ここは子ども部屋にする予定です。ロフトもついてますよ。
空間が積み上がっているような造りなんですね。
やまとあと「庭」もお気に入りです。新潟も市街地の方だと、狭い土地に家を建てて2台無理やり車を入れてる、みたいなところが多くて。でも僕は「家が建っている場所以外にもちゃんと土地がある」っていうのが、よかったんです。
なるほど。だから庭なんですね。
やまと今は冬で雪が積もってますけど、人工芝にしてあるので、バーベキューもできるし、夏には子ども用のプールも出せる。
やっぱり庭って、いいものですね。
(写真:tsukao)
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